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「小布施」は「逢う瀬」
水路、陸路の交わる交通の要所で生まれた自の文化が今も息づいている

小布施は北信濃にあって千曲川東岸に広がる豊かな土地です。特に千曲川の舟運が発達した江戸時代には、交通と経済の要所として栄えました。当時は定期的な市「六斎市」がたち、人、物、情報が集まる北信濃の文化的中核ゾーンでした。交通のクロスポイント「逢う瀬」が現在の地名の由来と言われています。「六斎市」の面影は現在も毎年1月に開かれる「安市」に引き継がれています。
人が行き交い集まる歴史の中で、当地では独特の文化が花開き、多くの文人墨客が訪れました。小林一茶や葛飾北斎も小布施の魅力に引き付けられた客人の一人で、ここに残された多くの作品は、今でも私たちを魅了しています。

「今を生きるまち 」
住む人も、訪れるひとも活き活きと呼吸する

小布施は観光用に作られた街ではありません。伝統的に生産されて来た栗菓子製造などの産業や、育まれ継承されてきた独自の文化は、そのまま現在の街に自然と溶け込み活かされています。小布施において「文化」とは過去のものではなく現在そのものです。
遠方からの訪問者をお迎えするホスピタリティは、はるか昔より受け継がれてきました。住む人も訪れる人も幸せになれる町づくりのために様々な取り組みがなされています。たとえば「オープンガーデン」。住む人が心を込めてつくった自宅の庭をも来訪者に公開し、楽しんでもらおうという試みです。これは町内全域にくまなく広がり、小布施が「花のまち」として呼ばれるまでにもなりました。

「農業は小布施の基本」
「自然の恵み」を大切にする伝統が小布施の風土をつくりました

小布施は北西に向って緩やかに下る斜面から千曲川と北信五岳(飯縄山、戸隠連山、黒姫山、妙高山、斑尾山)を望む、広々とした素晴らしい土地です。この美しい風景を私たちが今でも堪能できるのは、小布施という地域がこの「土地で生まれた自然の恵み」をことさら大切にしてきたからにほかなりません。つまり農業です。

小布施と言えば栗を連想する人が多いのですが、実のところ生産量が全国有数というわけではありません。ただ、町の南側を流れる松川が作った水はけの良い扇状地という地形と特徴ある酸性の土壌、そして北信濃の気候が、どこにも負けないおいしい栗を生み出しました。このおいしさは江戸時代から世に知れ渡っており、将軍への献上品となるなど「小布施栗」は当時から全国ブランドでした。
栗を生み出した土壌は果樹生産にも適しており、今ではリンゴや巨峰の産地としても注目されています。

また、千曲川東岸に広がるエリアは肥沃な氾濫原によって構成されており、その豊かな土壌に様々な農産物が生まれる環境をつくりました。よりおいしい農産物作りに余念がない当地の人々によってここではオリジナリティあふれる野菜が生み出されています。
小布施丸ナスそのひとつで、調理しても型崩れしにくく歯ごたえのある食感は、信州の伝統的食べ物「おやき」の具としても絶品です。